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高知県の犬・猫の殺処分0を目指して・・・



地域猫活動のすすめ


 地域ねこ活動とは?
地域住民と飼い主のいないねことの共生をめざし将来的には飼い主のいないねこを減らすこと。「ノラねこにご飯あげているんだけど、近所から苦情が・・・・」 「ノラねこが庭の花壇に糞をして困っているんだ。 エサをあげるのをやめさせたい!」 飼い主のいないねこに関するこんな相談が後を絶ちません。 トラブルが高じて、殺人にまで発展した痛ましい事件もありました。 エサやりが、ねこたちのためになっているのでしょうか? エサやり禁止がトラブルの解決につながのでしょうか?ノラねこトラブルを解決するために、「地域ねこ活動」によって、 ねこたちの管理をする 地域が増えてきました。


地域ねこ活動の目的
エサやりさんの活動目的は「ご飯をあげること」になりがちです。逆に、ねこで困っている人の目的が「ご飯をあげさせないこと」になっている場合も多くあります。しかし、本当に両者が目標としたいことは何なのでしょうか。ねこによって困る人もいなく、ねこたちも安心して暮らすことができる、ねこと地域住民の共生のはずなのです。

活動を始める準備
活動を始めるまえに、事前調査をしましょう。調査対象はエサやりさん・困っている人両者です。また、活動をすすめる人はエサやりさん・困っている人・地域住民・行政等、 どの立場の人からでも可能です。
   ■事前調査内容
    ねこに関する苦情の内容
    エサやりさんの人数
    ねこの数と雌雄判別(不妊手術の有無を含む)

   ■調査結果の役割
    今後の活動内容を決める基礎になる
    活動の役割分担などを決める
    不妊手術をするべきねこの判別に必要

地域住民との対話
「地域ねこ活動」の名のとおり、何よりも地域全体の意志統一が重要です。しかし、エサやりさんと困っている人では、意見が対立しがちです。どんなテーマで対話をしたらいいのでしょうか?事前調査の結果をみながらの話し合いが効果的です。

原因とその根絶
この問題の根源はねこを捨てた人がいることです。捨てる人がいる限り、飼い主のいないねこは減りません。動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)の第44条に「愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。」とあります。つまり、捨てねこは犯罪なのです。この犯罪の根絶を目指し、動物愛護管理法の理解と普及に努めましょう。また、不妊手術を施さないままに放し飼いにされている飼いねこもいます。飼い主への室内飼育や不妊手術の普及啓発も同時に行ってください。

行政との連携
この活動はボランティアだけでやるには荷が重い活動です。今のところ野良猫問題を解決する最も有効な方法ですので行政の積極的な参加を期待します。

目的の確認
エサをやること・やらせないこと、が目的ではなく、ねこと地域住民の共生が目的であると意志統一をします。

ねこで困っている人はどんなことで困っているのか?
具体的な被害の内容を確認しましょう。適切な対策を検討することができます。

 
 困ってること  対策
 発情期の鳴き声や夜間のケンカ  不妊手術をすることによって発情を抑える
発情期のオスのおしっこの臭い   トイレを設置し、掃除担当はエサやりさんとする
糞をされる ・花壇を荒らされる ねこが嫌がる香りのする植物(柑橘類やミントなど)を花壇の周りに植える 



目的を達成するための活動
対話によって意思統一が図れたら、次は活動です。目的を達成するため、具体的にはどんな活動をしたらいいか。最も効果的なのは、飼い主のいないねこの数を減らすことです。実際の活動を行う中心となるのは、エサやりさんです。事前調査で明らかになったエサやりさんたちで、以下の活動を行う役割分担などを話し合いましょう。
  ■「置き餌」の廃止
   エサやりさんの中には、朝たくさんドライフードを入れたお皿を置き、夕方残りを回収するという方もいます。
   しかし、この方法によって以下のような問題が生じます。
     ・ねこの食欲の減退に気付きにくいため、健康管理ができない
     ・カラスが集まってくるため、こねこがカラスに襲われやすくなる
     ・人間の顔が見えないときだけ食べにくるねこが増えるため、数が把握できないうえ、人になつかない
     ・暖かい季節は腐りやすく、臭いによる迷惑につながる

  「置き餌」をやめて、食べ残しはすぐに片付けるようにしましょう。人がいるときにしか餌がないことを学習したねこは、人馴れしやすくなります。

  ■トイレの設置と掃除
   困っていることのひとつに、糞の問題があります。
   この問題を解消するために、普段から掃除の徹底とトイレの設置をするといいでしょう。
   花壇などを荒らされる問題の解決にもつながります。
   すでにトイレと認識されて困っているお庭があれば、やわらかい土や砂を入れた箱やプランターを置いておき、ねこたちが
   好む臭い(マタタビやキャットニップなど)をつけておくことで、庭を掘り返される被害が減ります。

これからの地域ねこ活動
ねこの数が減少すれば、被害も減ります。今まで「ねこが嫌いだ!」と言っていた人も「あと数年見守ればいいのなら・・・」と対応を和らげてくれることも多くあります。
エサやりさんは掃除やTNRを、困っている人は見守る心を、行政は住民の支援を・・・。3者が力を出し合ってはじめて、ノラねこは「地域ねこ」になるのです。ここで紹介した地域ねこ活動方法は、基本的な部分です。この基本を元に「地域ねこ」の呼び名どおり、各地域での独自性を高めて、それぞれの地域にあった地域ねこ活動に発展させて下さい。地域住民の力を合わせて、人もねこも安心して暮らせる街が増やしていきましょう!

■TNR
Trap・Neuter・Return(Release)の頭文字を取った略語です。罠で捕獲・不妊・戻す(放す)という意味です。TNRによって繁殖を制限されたねこの数は、増えることがなくなり、寿命が尽きるごとに減っていくことになります。調査結果をみて、不妊手術が終わっていない猫がいれば、かならず手術を施しましょう。このとき、獣医師に耳を小さくカットしてもらったり、ビーズをピアスのように装着してもらうなど、目印をつけてもらうことが重要です。すでに不妊が済んでいることの証として地域住民からの理解を得やすくなる上、何度も捕獲されてしまうことを防ぐ役割もあります。